座談会 マテリアルとデザインの可能性を探して ユーザーニーズを捕らえる〜これからのシステム作り〜
  JR東日本のステーションルネッサンス計画(コスモス計画)  写真は総武線西船橋駅

ユーザーニーズに合致した空間づくり

蜂須賀  いつも弊社の商品「デコラ メラニット」を推奨いただいているお二人に、お忙しいところご参加いただきました、ありがとうございます。早速ですが高津さん、駅の機能がどんどん変化していますね。特に身近な品川駅の変貌振りには驚かされましたが、JRの駅は、今後どのような変化を遂げていくのでしょうか。

高津  駅について現在、様々な検討がされています。その中のひとつとして、お客様の駅における利便性の視点に立った、生活サービス事業の展開があります。駅構内に、いろいろなジャンルの店舗をリーシングして、JRの駅を戦略的に変えていこうとしております。ベースにある考え方は変わりません。気楽に駅に来てもらえる空間をつくるということです。駅は、そこから出掛け、そこから帰る場所。通過する場所を、滞在する場所に、変えていくように演出する空間づくりが行われています。JRの社内でも今、若い人が育っています。特に、マーケティングを中心に。若い人が企画して、マーケティングリサーチを行い、立ち上げまで担ってもらっている。夢を託して頑張っていってほしいと思っています。

小林  それぞれの駅がこれまでの金太郎飴的な機能だけではなく、魅力的な形態を探し求めてシフトしていますね。よい傾向だなと感じています。

蜂須賀  新たな試みを行うには、いままでの既成の概念で語っていても限界がある。確かに駅は単なる通過点から生活空間(憩う場所)に進化しつつあります。

高津  トイレを例に挙げると、これまで多く手掛けていた駅のトイレは、ほんとうにシンプルな要素で構成されています。プラン、天井の高さ、照明等が、主な検討すべき要素です。機能性を重視しながらも、そんな中で、もうひとつ追求していくデザインを考えると、無機質な空間から暖かみのある空間へシフトしていくかもしれないですね。商業施設のトイレと比較してもわかるのですが、多くの人が利用する場所だけに機能+αのデザインが重要となってきています。例えば、暖かみとか…ですね。今後、内装不燃等の法規上の課題に対応したマテリアルのバリエーションが増えれば、設計者としては使いやすくなるかもしれない。人間は贅沢だから、きっと嗜好がかわってくると思います。これからの嗜好の変化を予測して追随する開発をする必要がありますね。現に住宅などでは本物素材へのニーズが高まっている状況もあります。

小林  本当にマテリアル選びはいつも大変です。特に色に関してはもっともっと注文を付けたいことがたくさんあります。