病院の空間は人工的で、ある共通性を持つ。医学と医療におけるテクノロジーは、点と線で不思議な機能を有しつながっている。空間ボリュームは、この医療に関わる人々の機能がファクターとなり、面へと派生、病院という全体環境を構成する。
「治療する人」「される人」はテクノロジーという具体的な「物」や「もの」の中で時間を経験していくことになる。病院という環境は、今日抽象的な空間ではなくなっていると考えることもできるわけで、専門的要素とそれ以外の多くの現象的要因を考慮する必要がある。言葉を替えれば、「閉じた系」から「開かれた系」へとより具体的に変化することが必要な「場」であり「環境」のように思えた。
今日、私達をとりまく環境は明らかに具体化された「物」と「もの」により構成されていることが分かる。街は、光と音と言葉、言語、サイン等「物」によって「もの」を引き付け、何をとっても単純な関係で成立しているものが無く、全ては複雑な交換関係で成立していることを知ることができる。建築や食べ物、そして情報に関わる全ては、交換する記号において意味を得て、その存在の成立を試みている。

デザインの表現の世界おいても、この街の現象は無視することができない。本物はその「閉じた系」を嫌い代用品と深く関わり、新たなジェネレーションズという意味を発見し、代用品は本物との関係を清算し新たな具体化される機能の内面と結合し始めた。“本物”と“ニセ物”、街の現象はこの関係を対立概念から共生へと連動する。
「もの」や「物」は本物だった過去の抽象的意味を捨て、もっと我々の内面に接近することで具体化へと変化してきた。あらゆる素材と物の意味を巻き込み、全て曖昧な現実を作り出すことに成功してきた。私達は「人為的環境」と「自然的環境」、そして「自然の中に入る」という多くの種類の自然の“ニセ物”すら生産した事を知ることになる。
その中で素材は抽象的な時代の産物として捉えることは、無意味となるだろうし、その「閉じた系」の固定された素材性を捨てていかなければならない。今日のメラミン化粧板も少なからずその要因を含んだ素材であり、「開かれた系」の現象的なイメージの具現化素材として私は考えている。

往蔵 稲史仁








医療法人社団 栄悠会
綾瀬循環器病院
コンセプトデザイン:ティー・アンド・オースタジオ 往蔵 稲史仁
照明デザイン:建築照明計画 株式会社 小西 武志
植裁:ふじい庭苑
監修:芦原 太郎建築事務所
基本設計:株式会社 園田設計
実施設計:清水建設 株式会社 設計本部
監理:エス ティ プランニング 佐藤 清司
施工:清水建設 株式会社
撮影:平井写真事務所

「デコラ」使用品番
DKJ-8007S (スライドドア)
DKJ-9201S (スライドドア)
「クリーンカラー」使用品番
DKL-9201S (天井造作)
「ダイノックTMフィルム」使用品番
DNC-550 (受付カウンター)








医療法人社団 三親会
ひかり歯科医院
設計:ティー・アンド・オースタジオ 往蔵 稲史仁
施工:田部工芸
撮影:スタジオ アルフィ

「デコラ」使用品番
DKJ-546M(受付カウンター)
「クリーンカラー」使用品番
DKL-9201S (収納・天井造作等)
「センティード」使用品番
STD-WH001 (受付カウンター)
「ダイノックTMフィルム」使用品番
DNC-550 (壁面パネル)

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